今回の振り返りで、比呂美についてはあんまり書いていなかったことを思い出し、今回気づいたことを書いてみようと思います。ポイントは雪と竹林です。

　比呂美が眞一郎のことを意識し始めたのは、子供の頃のお祭りの夜です。3話で語られていますが、この時彼女は眞一郎とはぐれてしまい、「おいてかないで 眞一郎君」と下駄が片方脱げているにもかかわらず、竹林の中を走っていきます。そして、眞一郎と再会します。眞一郎が比呂美の下駄が片方ないことに気づ き、探しに行こうとしますが比呂美は離してくれません。そこで、眞一郎は自分も比呂美が脱げている同じ足の下駄を脱いで一緒に竹林を歩きます。この時の話 は二人にとってかけがえの無いものとなります。

　比呂美は6話の純の会話で、雪が好きだったけど嫌いになったことを告げています。この嫌いになった理由は、眞一郎の母から雪を見ているときに眞 一郎と自分が兄妹だという話を聞いてしまったたからです。これのことで、比呂美は一人で相当苦しんみました。好きな人と結ばれないなんて、本当につらいで すね。

　8話。眞一郎は乃絵と付き合いだします。比呂美は眞一郎と乃絵が一緒に下校する場面を見てしまいます。そして、家に帰って夢を見ます。そこは思 い出の竹林。ところがそこに眞一郎といたのは乃絵でした。比呂美にとって大切な眞一郎との思い出の場所。そこまで乃絵の奪われてしまったのです。比呂美は 涙を流しながら起きます。私はこのシーン胸が痛くなりました。これ、比呂美の気持ちになれば結構つらいですね。8話は比呂美にとって一番辛い話だったと思 います。

　9話冒頭で純と比呂美が起こした事故が結果的に、眞一郎の母と和解する結果となり、同時に眞一郎の母から兄妹の話は嘘であることを聞かされま す。彼女に取っての懸案事項は解決しました。ところが、この時、すでに眞一郎は乃絵と付き合っていたのです。自分の手の届かないところへ行ってしまった 彼。だから、すべてを一からやり直すそうと引越しを決意します。引越しの時、比呂美は眞一郎に子供の頃の竹林の思い出を語ります。
「お祭りが楽しくて、逸れて、悲しくて、さびしくて、見つけてくれて、一緒に片足で歩いてくれて、うれしくて」
「だから私この家に来たの」と。
でも、それは比呂美にとって、もう決して望んではいけないことなのです。なんとも切ないお話です。
　ところが、眞一郎は引越しのトラックを自転車で追いかけて、追いつき「全部ちゃんとするから」と比呂美に伝えます。比呂美にとって、まさに地獄 から天国へと引き上げられぐらいの衝撃だったと思います。ちなみに比呂美のこのときの涙がときどきハート型になります。偶然なんだそうですが、とても綺麗 ですね。

　11話で比呂美にとって、衝撃的な事が起きます。、眞一郎が雷轟丸とじべたの絵本を描いていることを発見してしまうのです。彼女の心に再び暗雲が立ち込めます。

　12話。お祭りの日です。比呂美は乃絵を見つけ、自分たちをそっとしておいて欲しいと泣きながら乃絵に懇願します。勿論、勝手なことを言っているのは彼女も分かっていました。でも言わずにはいられなかったのです。

　13話、比呂美は決断をします。眞一郎のへ行き、自分と乃絵のことをちゃんとして欲しいと。そして眞一郎が出した答えなら自分は受け入れると。彼女の強い一面が出ているシーンですね。今まで泣いてばかりいた彼女とは考えられないくらい強くなりました。
　そして、眞一郎が乃絵と別れて、比呂美のもとに駆けつけるシーン。眞一郎は最初比呂美の部屋に行きますが、比呂美は留守でした。眞一郎は探しま す。そして、竹林で見つけます。もうお分かりですね。このシーンは子供の頃の思い出と同じ構図なんです。それも、比呂美にとっては一度乃絵に奪われてし まった竹林です。そこに眞一郎がやってくるんです。そこで、眞一郎は比呂美に告白するんです。しかも、比呂美が受け入れたとき、雪が降ってくるんです。こ の雪も眞一郎の母のせいで一時、嫌いになったものでした。今はそれも無く立っていますから、大好きなものに戻っているはずです。まさに、このシーンは比呂美にとって最高の瞬間だったのです。